『 戸田神父の生涯知って 』 1月26日札幌にて講演会

戦時中に反戦言動容疑 札幌で逮捕   横浜で戦後射殺『真相を』

 太平洋戦争中に反戦的な言動をしたとして逮捕され、終戦直後、横浜で何者かに射殺されたカトリック教会元札幌教区長、戸田帯刀(とだたてわき)神父(1898~1945年)に関する講演会を、札幌の教会関係者らが26日に札幌市内で開く。殺害事件は未解決で、旧日本軍関係者による犯行との見方もある。講演会では神父の生涯を市民に紹介し、事件の真相解明に向けて情報提供を呼びかける。

 主催するのは、カトリック教会で平和問題に取り組む小野幌教会(札幌市厚別区)の新海雅典主任司祭(65)や、東京在住の元毎日新聞記者佐々木宏人さん(71)ら。当時の新聞で報じられず、その後も真相究明に向けた大きな動きがなかった殺害事件の存在や神父の足跡を知ってほしいと初めて企画した。

 戸田神父は山梨県出身で、ローマ留学などを経て1941年(昭和16年)2月、42歳で札幌教区長に着任。新海さんによると、教会の活動が軍や警察に妨害されるのを避けるため、表立って軍国主義に抵抗することは控えたが、同年12月の太平洋戦争の開戦当日、スパイ容疑で逮捕された旧北海道帝国大の講師ハロルド・レーンさんの無実を信じ、私的な立場で札幌市内の拘置所にたびたび面会に訪れたという。

 神父が逮捕されたのは翌42年3月。「米国や英国を敵に回して戦争すれば今後どうなるか分からない」などと同僚に話したとして、陸軍刑法の「軍事に関する造言飛語」を行った容疑で逮捕された。約3カ月後に無罪判決を受けたが、釈放後も警察の監視は続いたとされる。

 44年9月に横浜教区長に転任し、終戦の3日後の45年8月18日、横浜市の保土ヶ谷教会内で射殺体で見つかった。新海さんは「教会関係者などの間では、見つかった弾丸が当時の憲兵が使っていたものと同型だったとの証言が伝えられている。神父は軍が接収していた教会施設の引き渡しを求めており、軍から恨みを買ったのではないか」と推測する。

 講演会で講師を務める佐々木さんは釧路市出身で、記者時代の86年、神父の出身地の山梨県に赴任して事件を知った。「真相を知りたい」と取材を続け、2010年8月からカトリック系の雑誌「福音と社会」(カトリック社会問題研究所刊)に戸田神父に関する連載を執筆中だ。

 佐々木さんによると、神父の札幌時代の説教の内容や逮捕時の状況、裁判記録などの資料はほとんど見つかっていないという。札幌での活動などが分かれば殺害された理由や背景も見えてくる可能性があるとして、「講演を機に新しい情報が寄せられれば」と期待を寄せる。

                  北海道新聞 2013日1月15日(火) 夕刊より

 

 *1月26日(土) カトリック北1条教会で講演会は開催されました。   

 

  訂正があります。主催するのは札幌地区カトリック正義と平和委員会   

  (担当司祭新海雅典神父)(65歳)です。